レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.6.8  白井さんの料理講習会

2018/6/14 New

今回のテーマは「一生自分で歩けるからだを作る」。白井が応援するNPOフィールドキッチンのセミナーで好評をいただいた資料をもとに骨の健康に役立つ話題やレシピをご紹介します。「日本の平均寿命は過去最高。女性はなんと約87歳。その時まで動ける体でいたいなぁってみんな思いは同じですよね」。

偶然に観たNHKの番組で白井が驚いたのは大腿骨骨折のワースト1位が兵庫県だったこと。特に関西は全体的に大腿骨骨折が多い傾向に。番組ではその理由として、関西は納豆を食べない人が多いこと、日焼けをしないようにサンバイザーや日焼け止めクリームでがっちりブロックしている人が多いこと、せっかちな人が多いことなどが理由にあげられていました。「納豆を食べられない方は?」と白井の問いかけに手がチラホラと上がります。「納豆に、市販のたけのこの土佐煮の煮汁を少し加えて混ぜ、たけのこを小さく刻んだものを混ぜると、匂いとか食感が目立たなくなって食べやすくなります。先日の講習会で『初めて食べられました』っていう方が二人もおられて。もう私まで嬉しくなりました」。納豆には骨を作るために欠かせないビタミンKがたっぷり。「シミが増えると困るけど、お日様に当たることも最近は心がけるようになりました」と白井。

今日の試食は「高野豆腐の卵とじ丼」を。「高野豆腐は最近食べられなくなってきているけど、日本の伝統食として大事にしたい食材。戻すひと手間が面倒、味が決まらないという声をよく聞くでしょ。で、こんなことを考えてみたんです。」戻す前の高野豆腐1個につきめんつゆ大さじ2を直接かけると、中心はまだ硬さが残るものの、表面は柔らかくなってすぐに包丁で切れる状態に。「炒めた具の中にこの高野豆腐を入れて100gの水を加えて炊きます。めんつゆが煮汁にしみ出して旨みになるし、高野豆腐にもしっかり味がついているので、誰でも味がさっと決まります」。詳しいレシピは「きょうの料理」テキスト8月号の広告ページに掲載される予定です。今日は特別にセミナーでひと足早くご紹介。
「この資料を冷蔵庫に貼ったり買い物に持って出て生かしたいって嬉しいお声もいただきました。この白井流・健康な骨を作る工夫もぜひ試してみて」。ひじき煮や切干大根に大豆を加えたり、さっと湯がいた小松菜を添えたり。切干大根をさっと洗って、サバの水煮缶と合わせ、汁を切干大根に吸わせて戻したり、ヨーグルトに小さじ1/2ぐらい味噌を溶かして食べたりと、白井が日々の暮らしで実践する小さなアイデアの色々をご紹介。

「食べ物も大事だし、楽しく暮らしを作ることも大事。便利にしすぎないで家の中でもこまめに動いたり、誰かに何かしてあげる方が嬉しいと思える自分でいることとか、仲間と一緒に笑い合ったりね。いろんなことが元気な体を作ってくれるような気がします。最後は脳の活性化と骨の健康に大切な運動が一緒にできるボディージャンケンをみんなでご一緒に」。グー・チョキ・パーを、全身を使ったゼスチャーで表現し、後だしジャンケンで相手に負けるものを出すというボディージャンケンは、最初は頭と体がバラバラで意外と難しいもの・・・。みんなでひとしきり笑って遊んで、笑顔があふれる中、お開きとなりました。
(文:土田)

セミナーレポート 2018.5.21 浦野醤油醸造元 五代目当主 浦野惇美さん 浦野敦子さん

2018/5/23 New

今回のゲストは「にじいろ甘酒」を手掛ける浦野醤油醸造元の五代目当主浦野惇美さんと六代目のお嫁さん・敦子さんのお二人。福岡・豊前市で江戸時代から150年続く老舗です。

まずは麹作りの話を浦野さんから。「米は前日から水に浸けて、翌日の午前中に耳たぶほどの柔らかさを目安に釜で蒸します。35℃まで冷まして麹菌をふりかけ室で寝かせます。一日目はストーブをたいてやり、35度程度を保ってやると、あとは発酵熱を出しながら麹菌が繁殖していきます。2日目以降は自分の発酵熱でどんどん温度が上がりますので、その熱で菌が死んでしまわないようほぐしてやり、適温に保つよう世話をしてやります。3日目には、びっしりと白い菌糸がお米を覆って完成です。」原料には福岡産の「夢つくし」を。100㎏単位で作る重労働で、特に夏は暑くて大変だそう。「米麹は見た目に白いものを、乾燥よりは生麹がおいしいと思いますねぇ」と浦野さん。米麹の保存は密封して冷凍がおすすめと教えてくださいました。
「お父さんは『何でもやってみろ』という精神の持ち主。嫁に来た頃はまだ発酵ブームではなく、甘酒を飲んだこともありませんでした。仕込み方、飲み方はお母さんに一から教わりました。こんなにいい材料を使って、こんなに手間暇をかけて・・・と分かってくると、すごく愛着が湧いてきて・・・。」醤油が売れにくくなった蔵のピンチの頃にお嫁にきた敦子さん。最初は苦手だった甘酒を「誰でも飲みやすい味に」と一生懸命、試行錯誤を重ねた末に生まれた「にじいろ甘酒」。基本の「米麹」と「発芽玄米」、「博多あまおう」の3種の甘酒を試飲に。

「発芽玄米」は食感を少し残してコクと噛みごこちを楽しんでもらえるように。人気の「博多あまおう」は地元農家が大切に育てたあまおうをふんだんに使い、あまおう独自のほど良い酸味と香りが冴える爽やかな甘酒。「ブルーベリー」も福岡産のブルーベリーを皮ごと細かくつぶしてたっぷり使いました。小豆は北海道産のものを柔らかく炊いてしっかり糖化させて甘酒に。ほっこりとした味わいは赤飯のよう。「自然の色や香りを生かしたものを作りたかった」それぞれに敦子さんの思いが込められています。
「甘酒はジャムのような感覚でヨーグルトに入れたり、すり鉢でなめらかにした甘酒と醤油、味噌やゴマを混ぜて焼肉のたれに。市販のたれと混ぜても。味噌生姜焼きの隠し味に使っても。甘酒は夏の季語。ビタミンB群が豊富で昔から鰻と並んで暑い夏の栄養源だったそう」と白井。「夏はそのままジッパー袋に入れて冷凍するとシャーベットに。豆乳を少し加えてもうまくいきますよ。麹から作る甘酒はアルコールを含まないので子供さんでも大丈夫」と敦子さん。料理やおやつに使い方はいろいろ。

最後に「私の曽祖父が村の庄屋に麹室を建てさせて欲しいと申し出た古文書が今も残っていて、見ると曽祖父の情熱が伝わってきます。それを受け継ぐ者として原点の麹造りをきちんと息子たちに伝えなければと思っています。人よし、社会よし、自分よしの理念を持って、体に優しいものを商っていきたい。いい嫁を連れてきてくれた息子にも感謝だな。」と浦野さん。敦子さんと実の父娘のように仲の良いご様子から福岡で待つ奥様の典子さんと六代目雅人さんとの温かな家族の絆が伝わります。「今ここでお話していることも、カタログの写真をみても、今まで想像もできなかったことばかり。家族みんなで感謝しています。このチャンスを生かしきるように力を合わせて頑張ります。」敦子さんの言葉に浦野さんもにっこり。会場からの拍手がエールのように響きました。

試食はもう1品。奈良・吉野のはやし豆腐店の「ざる豆腐」を。にがりを極限まで減らし、吉野の名水を使った豆腐は格別。ギフトには葛がたっぷりのごま豆腐やひろうす、お揚げとセットになっています。                     (文:土田)

セミナーレポート 2018.4.27 神戸フィルムオフィス 代表 松下麻理さん

2018/4/29 

「テレビや映画で、身近な場所が舞台だとなんだか嬉しくて特別な感じがしますよね」と白井が紹介したのは、神戸フィルムオフィスの代表 松下麻理さん。「映画やドラマのロケ地として神戸を誘致し、支援することで、街の活性化を目指すのが主な仕事です。」震災後の神戸を元気にしたいと神戸市と協力して初代代表の田中まこさんが2000年に設立。フィルムコミッションの草分け的な存在として多くの作品を神戸に誘致してこられ、松下さんが二代目の代表に。

「最近私が担当したのが『海賊と呼ばれた男』。ほかにも『デスノート』『鋼の錬金術師』など神戸でたくさんの映画が製作されています。観光地ではない何気ない街角や工場街なども紹介します。神戸はおしゃれな街並みだけでなく下町あり坂あり山あり海あり田園風景ありと多彩で、皆さん喜んで下さるんです」と松下さん。「私のスタジオの近くの旧乾邸もよく総理官邸として使われていますよ。リンカーンのような車が停まっていたり・・・。忘れた頃に放送があるんですよね」。話が弾む中、話題は昨年の朝ドラ『べっぴんさん』に。
「神戸が舞台ということで、神戸の街はもちろん、神戸の文化や人も紹介したいという思いがありました。靴屋さんを演じた市村正親さんが吹替なしですべて自分で演じたいとのことで和田岬の靴屋さんをご紹介しました。職人さんの仕事ぶりを一日じっと観察して、帰る前には職人さんが驚くほどの手つきを習得されたそうです」。劇中のかわいい服や刺繍はファミリアのOBの方や長田の神戸マイスターのテーラーさんが手掛けるなど、多くの方々を紹介されたそう。

人気の「ブラタモリ」は、神戸に着いて北野町でハイスタート!と司会のお二人に何も知らされないまま番組が始まり、案内人の問いかけに答えながら番組が進行する・・・という他にないロケなのだそう。「ほとんど全部がアドリブ。タモリさんの知識の深さに驚かされます。タモリさん!と声を掛けられると『こんにちは』と気さくに返され、まさに自然体で街に溶け込まれます」。
ロケ地になることでお弁当、ホテル、警備、機材など経済効果が生まれるだけでなく、ドラマや映画を見た方がロケ地に興味を持ってもらえることも大きな喜びと松下さん。「カメラ越しの街並みはいつも見ている以上に素敵で、ますます神戸が好きになります。」「へぇ~。私たちが知らない神戸の素敵を教えて。」「30分ほどで行ける六甲山。山頂の年間平均気温は北海道南部と同じくらい涼しいんです。自然も豊かでモリアオガエルの卵からオタマジャクシが池に生まれ落ちてイモリがそれをパクっと食べる光景が見られたり、ワンコインでハンモックを借りて、摩耶山の空の近さに感動したり。AAランクの水質を誇るアジュール舞子は人口浜にも関わらず、6月の満月の日にはクサフグが波打ち際をめがけて一斉に産卵に訪れます。昔、外国客船の修理に入った船大工が船内で洋家具を見て、日本の暮らしに合わせて作り始めた神戸家具も外国の文化をうまく取り入れてきた神戸ならではのもの。フルーツフラワーパークに近い大沢では毎年夏にどろんこバレー大会が開かれムシロで作った優勝旗を目指し、人口千人の街に千人の人が集い、大いに盛り上がります」。多彩な神戸の魅力を発信する松下さん、そのお話ぶりがなんとも心地よく、お人柄も物腰も素敵な方。会場から「これからも神戸の素敵を伝えてください」と嬉しいメッセージがたくさん寄せられました。

試食は白井のおすすめコーナーから長崎・琴海堂のカステラと京都・炭火おかき処とくとみのおかき2種を。                      (文:土田)

1 / 7112345678910>>