レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第20話 ヒマワリ

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀8/22(土)②9/19(土)③10/10(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。)
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第20話 ヒマワリ
さあ、いよいよ8月、今年は遅い梅雨明けだったけど、ようやく本格的な夏がやってきたね。夏の花と言えば、やっぱりヒマワリだろうね。最近の酷暑にもめげず、炎天下で雄大に咲き続ける巨大な花。真夏が最も似合う花だよね。ということで、今回はヒマワリの話をしてみようかな。

ヒマワリ(向日葵)とい名前の由来は、花が太陽の動きに合わせてその方向を追うように回ることから名づけられたと言われているんだけど、実は、ヒマワリの花は太陽を追って回っているんじゃないんだよね。じゃあ、どうしてそのように見えたのかって? では、種明かしを!

実は、ヒマワリの生長点、すなわち茎のてっぺんは、いつも太陽の方を向いているんだ。朝には東を向いていたのが、夕方になると西を向くんだ。そして、夜になると真っ直ぐ上を向いたかと思うと、夜明け前にはしっかりと東を向いて朝日をお迎えするんだ。でもしかしだ、この動きはてっぺんの蕾が大きくなるころまで続くんだけど、花が咲くころには止まってしまうんだな。面白いことには、蕾が大きくなるにつれて、夕方に西に向く動きがだんだんと小さくなっていくんだ。ところが、夜明け前に東に向く動きには変わりはないので、最終的に花が咲くころには東を向いてしまうんだ。だから、ヒマワリの花はみんなお行儀よく東を向いて咲いているよね。
このような生長点の動きを見た人は、てっきりヒマワリの花が太陽を追っかけて動いているように錯覚したんだろうな。
 一斉に東を向いているヒマワリの花

ヒマワリの原産地は、北米大陸の南西部で、紀元前からインディアンの食用作物として重要だったらしいんだ。日本では、何となくリスの餌って感じで、あまり食用にはしないけど、欧米ではヒマワリの種を煎って食べる習慣があるんだ。
ヒマワリがヨーロッパに導入されたのは、1510年にスペイン人がアメリカ大陸から持ち帰って、マドリード植物園で栽培されたことから始まったようだな。その後、17世紀になってからフランスやロシアにまで伝わったんだけど、その頃ロシアでは、ロシア正教会が宗教上の理由から食品の制限を行っていて、19世紀の初頭にはほとんどの油脂食品が禁止食品になっていたんだ。ところが、ヒマワリの種は禁止の対象にはなってはいなかったため、ロシアの人々の間にヒマワリの種を煎って食べるという習慣が普及したんだってさ。そうして、今では食用ヒマワリの最大の生産国になっているんだぞ。
ヒマワリが日本に入ってきたのは、17世紀だと言われているけど、食用としては普及しなかったみたいだね。当時の日本人の口には合わなかったんだろうね。

ヒマワリの花は、大きいことで有名だけど、食用の品種がもっとも大きくて、背丈は優に3mを越え、花の直径は40センチ位にはなるよね。ところで、この巨大な花は一つの大きな花ではなくて、小さな花の集合体ってことは知っているかな? ヒマワリはキク科に属しているんだけど、キク科の花っていうのは、頭状花序(とうじょうかじょ)と呼ばれる多数の花が集まって一つの花のような形をしているんだ。みんなもよく知っているキクの花も、タンポポもコスモスだって、みんな小さな花の集まりで、決して一輪の花じゃないんだ。
 ヒマワリの頭状花序

ヒマワリの花の一番外側にある黄色い花びらを持った花を舌状花(ぜつじょうか)、その内側にたくさん並んでいる花を筒状花(つつじょうか)と呼んでいるんだ。このように、キク科には舌状花と筒状化の2種類を持ったものが多いんだけど、タンポポのように舌状花ばかりの花や、アザミのように筒状花ばかりの花もあるんだ。みんなもよく観察してごらん!
  左から、筒状花の蕾、筒状花の開花状態、舌状花

ついでにもう一つ面白い話を教えてあげよう。 みんなはヒマワリは夏の花だと思っているようだけど、9月下旬~10月上旬に種を播いて育てると、11月後半~年末に花を咲かせることができるんだ。ただし、年内に強い霜が降りるような寒さの厳しいところでは難しいかな。冬のヒマワリっていうのも、なかなかのもんだぜ!

「ヒマワリ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

 

第19話 ナツツバキ(シャラノキ)

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TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第19話 ナツツバキ(シャラノキ)

『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。』 これは、日本人なら誰もが知っている、「平家物語」の冒頭の部分だよな。さて、ここに出てくる「沙羅双樹」ってどんな木か知っているかい?この「沙羅双樹」っていう名前は、ほとんどの日本人が知っているけど、意外とそれがどんな木かってのは知られていないんだよな。ということで、ちょうどこの時期に、フラワーセンターのアジサイ園できれいな花を咲かせる「沙羅双樹」について話をするとするかな。

まず、「沙羅双樹」は二本の沙羅樹っていう意味で、これはお釈迦様が最期を迎える時に選んで横たわった場所が、二本の対になった「沙羅樹」の下だったことから、「沙羅双樹」と呼ばれているんだ。
因みに、仏教において重要とされている三大聖樹とは、お釈迦様が生まれたところにあった「無憂樹(ムユウジュ)」、お釈迦様が悟りを開いたところにあった「印度菩提樹(インドボダイジュ)」、それにお釈迦様が亡くなったところにあった「沙羅樹(サラジュ、サラノキ、シャラノキ)」なんだ。これは知っておいて損はないぞ!

さて、平家物語の沙羅双樹に戻るけど、ここに書かれている「沙羅双樹」は、実はお釈迦様が亡くなったところに生えていてた「沙羅樹」じゃないんだよな。本来の「沙羅樹」は熱帯地域の産の樹木で寒さに弱いため、日本で育てるには温室が必要なんだよ。そこで、日本に仏教が伝わってきたときに、もともと日本にあった樹木で、姿形や花が良く似ているナツツバキっていう樹木を代用としたようなんだ。
ということで、「平家物語」に出てくる「沙羅双樹」とは、日本原産で「沙羅樹」によく似た「ナツツバキ」ということなんだな。だから、全国各地のお寺の境内には、ナツツバキが植えられているんだ。しかも、シャラノキという名前も、別名として残っているんだな。
 開花期のナツツバキ

ナツツバキは、名前のごとく夏にツバキに似た真っ白な花を咲かせる樹木で、樹齢を重ねると樹皮が剥がれ落ちて、特徴のあるモザイク模様となり、表面がつるっつるになるので、幹を見ただけでもこの木がナツツバキだって分かるほどなんだ。ツバキに似た花をつけるのは当然で、この木はツバキ科に属していて、ツバキとは親戚関係にあるからなんだな。でも、ツバキとは決定的な違いがあって、落葉樹だってこと。だから、秋にはきれいに紅葉するんだぞ。春の新緑、夏の白い花、そして秋の紅葉に加えて冬のきれいな模様の樹皮と、四季を通じて観賞価値が高い樹木なので、庭木としても高い人気があるんだ。
 ナツツバキの花と紅葉
 ナツツバキの樹姿と樹皮

でも、ちょっと大きくなりすぎて広い庭でないと植えられないんだな。そこで登場するのがヒメシャラっていう樹木だね。ヒメシャラはナツツバキに似ていて、全体的に小振りなうえに、樹皮がきれいなオレンジ色をしていることから、冬の庭をパッと明るくしてくれるので、こちも庭木として人気が高いんだな。庭のある人はぜひ植えてみるといいよ!
 ヒメシャラの花と紅葉
 ヒメシャラの樹姿と樹皮

「ナツツバキ(シャラノキ)」を見に行こう!
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第18話 ハンゲショウ

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第18話ハンゲショウ

みんなはハンゲショウという言葉を聞いたことがあるかな? えっ、聞いたことがないって? それじゃぁ話が進まないから、ハンゲショウの説明からするかな。ハンゲショウは漢字で書くと「半夏生」。半夏生とは雑節(八十八夜や土用など、五節句・二十四節気以外の、季節の移り変わりの目安となる日の総称)の一つで、かつては夏至から数えて11日目の日を当ててたんだけど、今では、天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となってるようだね。因みに今年は7月1日なんだってさ。

昔から半夏生は気候の変わり目として、農作業の大きな目安とされてきたようなんだ。田植えは「夏至~半夏生に入る前」に終わらせるものとされ、それを過ぎると秋の収穫が減ると言われてきたんだ。そして、この日から5日間は働くことを忌み、天から毒が降ってくるので井戸に蓋をして、この日に採った野菜も食べてはいけないと言われてたんだって。関西では、田植えした稲がタコの足のようにしっかりと大地に根付くように、タコを食べる風習があるんだぞ。

また、この頃は梅雨の末期で、昔は半夏(ハンゲ)という毒草が生える多湿で不順な頃とされていて、半夏生までに田植えを済ませた農家では、この日の天候で稲作のできを占ってたらしいんだ。半夏生という名は、このハンゲという植物にちなんで名付けられたとされているんだよ。このハンゲという植物は、今ではカラスビシャク(烏柄杓)という名で呼ばれており、サトイモ科でマムシグサやウラシマソウが属するテンナンショウ属に近い仲間で、その球根は生薬にもなるんだよ。
 カラスビシャク(ハンゲ)

さて、そろそろ本題に入るとするかな。ところで、みんなはハンゲショウという植物は知っているかな? えっ、それも知らないって? ではあらためて、ちょうど半夏生の頃になるとフラワーセンターの水路沿いの湿地でハンゲショウが最盛期を迎えるんだ。ハンゲショウは、その頃になると、それまで緑一色だった葉のうち、花のついている先端部分の2~3枚が真っ白に変わってしまうことから、ハンゲショウと呼ばれるようになったんだ。
 ハンゲショウの花

ハンゲショウは、ドクダミ科に属する宿根草で、日本の本州以南と朝鮮半島、中国、さらにはフィリピンなどに自生していて、日当たりのよい湿地によく群生していたんだ。ところが最近はそのような生育に適した環境が減ってきて、次第に姿を消しつつあるんだって。でも、本来は非常に丈夫な植物なので、環境さえ整えてあげれば、どんどん地下茎を伸ばして増殖していくぞ。フラワーセンターでは増えすぎて困っているくらいなんだ。
 ハンゲショウ

水辺や湿地に生える宿根草だけど、乾燥させ過ぎないようにすれば、普通の庭でも育てることができるから、みんなも一度栽培してごらん! 暑い夏の庭にさぁっと涼風が吹くよ。

 「ハンゲショウ」を見に行こう!
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