レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

日常よくあるエピソードから・・・

2021/12/28 

常にコロナを気にしながら暮らす窮屈な日々の中にも、思いきりお腹を抱えて笑えることや、「え~っ!」と驚いて「さすがにこれは笑っている場合じゃない」と思いつつも、可笑しさがこみあげてきて一人で笑って「ふぅ、お疲れさま・・・」とつぶやく、そんなことが私の日常にはいくつもあります。今日はそのひとつを・・・。
「あたり年」とは言わないのでしょうが、今年は、まぁ順々に電化製品や家まわりのものが壊れていきました。すごい風が吹いた日から閉まらなくなった門の鍵、庭の木々に支えられて持っていた木製の塀も暴風雨の後、寿命を感じる姿になりました。ある日急に熱風が出てきたクーラー。冷蔵庫もなんか変な音がすると思ってはいたのですが、ついに氷が解け始め・・・といった具合に次々と。「我が家には魔法使いがいるの?」と問いかけたくなる思いでした。
急いでお世話になっている電器屋さんに電話すると「あ~それはボチボチ買い替え時ですね。ただ今大変なんですよ。とりあえず問屋に聞いてみますね。前と同じサイズですね・・・」とのお返事。世間で半導体不足がどうこうと騒がれるこの時期に故障とは。待つこと5~6分「あります1台だけ。どうします?この機会を逃したら数週間待たないと・・・」の言葉に「寸法は合うんですね。分かりました」と私。数日後、我が家にやってきた冷蔵庫はシックな装いでひと安心。
古い冷蔵庫から膨大な量の大移動を全力で手伝ってくれたお嫁ちゃんも帰り、一人夜中に夢中で冷蔵庫をゴソゴソ片付けていました。冷蔵庫の扉を閉めた時、突然、目の前に現れた、疲れてヨレヨレになった魔法使いのおばあさんの姿。「あっ!えっ?」と声が出る程びっくりした瞬間、冷蔵庫の扉がミラー仕上げだったと気づき、大笑い。「はじめまして、あなたはどなたさん?」と話しかけたりして、いつまでも一人でクスクス。

新しい年は目の前、シクラメンの赤とクリスマスローズのたくさんの蕾に、毎日元気をもらっています。
白井操

ほっこりレシピ動画がはじまりますよ!

2021/4/25 

今日も我が家のポストにいくつかのお手紙が入っていました。見慣れた文字です。メールもうれしいけれど、切手の貼ってあるお便りにはなにか言葉に表せなかった見えないものがじんわり伝わってきてほっこりした気分になります。
先日「きょうの料理」に出演したこともあってか「この間の生放送みたよ」が、お手紙の書き始めになっていることが多いのですが、読み進むにつれご家族の様子や行間から気持ちが伝わってきます。
ご主人が退職されたこと、お母様に認知が始まったこと、子供が長いことかかってやっと社会人になったこと、そんなこんなと向き合いながら、このコロナ禍、毎日ひたすらごはんを作っているんだと・・・。「もう疲れてくたびれてきたのよ。でもね、テレビをみてたら偶然、ニコニコしながら料理をしているあなたに出会って、気がついたら私も笑ってたの」。他のお手紙やメールにも「あなたの顔につられて笑って、洗面所に行って鏡をみたら、ゆるんだ顔になってる自分に笑ってしまった」とか「なんだかよくわからないけど、癒されたわぁ~」と結んであるメッセージなどなど。みんな長引くコロナでお疲れが出てきているんですね。
自分で後から放送をみると、話すリズムはゆっくりだけど、生放送の枠におさめるために、早くフライパンの肉を焼き上げようと、手だけはせわしなくお箸で肉を動かしていました。いつも肉はできるだけ動かさずに・・・なんて言っているのに。あらら・・・と思いながら、心のどこかで慌ててたんだなと笑ってしまいました。ふふふ。

今日にも私のHPで新たにレシピ動画の配信が始まります。YouTubeでもご覧いただけます。
今回のアップのために動画のチェックをしながら、自分の姿に思わず「大丈夫ですか?みなさん。こんなにゆっくりしゃべってますけど・・・」と独り言。「長すぎますよ、ふふ。その話どこに行くんですかぁ~」と、仕上がりは自分でも突っ込みどころ満載!。
お茶でも飲みながら、ご飯を食べながらみてくださるとうれしいです。ご紹介したものが、今晩のおかずのひとつになるといいな・・・。
白井 操

「変わって変わらないもの」

2021/2/18 

誰かの不安な気持ちを感じ取って「自分にできる何かをしてあげたい」「これで少しは元気がでるかもしれない!」と思った時、お互いの信頼関係があれば、まず会ってご飯を食べるのが一番。それは分かっているけど、このコロナ禍「集まらないで!」「マスクははずさないで!」「会食・飲食を控えましょう!」とままならない日々。もうガマンして何カ月も経ちました。

この一年の間に、二人、身近な人の大切な家族が突然倒れて、意識が戻るのを祈りながら待つことに。遠い未来に希望を持ちながら、辛い日が続いています。
思うように会えない中、一緒に動物や花畑も楽しめる農家レストランで静かにゆったり食事をしたり、落語を聞きに落語会へ。前後左右一席あけて対策万全の会場で、友達と同じ笑いを共有している喜びを分かち合ったという余韻がいつまでも心に残りました。帰りに予約していたレストランはキャンセルして、シェフの都合のよい日にそれぞれの自宅に料理を送ってもらい、同じ料理をそれぞれの家で楽しむことに。それもまた素敵な思い出になりました。

 

30年以上同じメンバーで続く料理教室は「今月も料理教室を休むか・・・・いやいや何か私にできる工夫はないかしら」と、色々悩んで考えました。密を避けて、庭と窓をあけたキッチンルームを使おう(なんと当日は冬を忘れるピカピカの暖かいお天気に恵まれました)。料理はできるだけ作業が混まないように。私が家で準備できることは一人で作っていく!
テーマは「私が長くおつき合いしている、こだわりのモノを作っておられる方を紹介しつつ、食べてもらう会」にしました。鹿児島・種子島から安納芋を世に出した蓑茂さんのご夫妻の物語と安納芋の焼きいもを。境港・板倉さんの生干物は備長炭の七輪で焼き、春のネバネバ海藻アカモク(ギバサ・ナガラモ)は丼に。備長炭は和歌山で「あの日の梅干し」を手掛ける佐々木さんにいただいた貴重品です。尼崎・杭瀬の宮島さんの有機のお豆腐を各種食べ比べ。デザートは淡路のみかん名人原田さんのはるみと桂新堂のチョコえびせん。もちろん調理中はマスク、食べるときも十分に距離をとって。
人柄にふれたからこそ話せる色んなエピソードを伝えながら、マスクごしのたくさんの笑顔にふれ、人とつながることの幸せを感じていました。

庭で備長炭の火おこしを担当したメンバーは相当苦戦した模様・・・。焚き付けに使えるかなと春待つ庭に不釣り合いなすすきや枯草を刈ってくれました。花がほころび始めた梅の木も足元すっきり。
時間をかけて育んだつながりは新しい試みを楽しみながらこれからもずっと続きそうです。

白井 操

 

 

写真はスタジオの庭の梅。6月には梅の実がたわわに実ります。