レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2019.6.21 桂南光さんと青いギフトカタログお中元試食会

2019/6/27 New

桂南光さんをお迎えして、阪急お中元青いギフトカタログの白井のおすすめギフトから、色んなエピソードや試食を交えてご紹介する試食会。「もう少し食べたかったとのご要望にお応えして今回は試食もたっぷりご用意しました」と南光さん。

「ご自分へのご褒美にもおすすめしたいものばかり。アットホームな雰囲気の京都『レジョン』の『シーフードラタトゥイユ』は、真面目な職人が作るプロの味わい。パスタのソースにも」と白井。試食にドンクのバケットを添えて。「姫路『ハング』の『ミートパイ』は冷凍で届くことを計算し、温めた時のパイ生地がサクッとおいしいんです。大阪・北新地の『ラチェルバ』が牛乳から作り始める『はちみつバター』は有機のアカシアはちみつなど材料も厳選した逸品。薄切りの食パンと一緒にどうぞ。宇和島でブラッドオレンジの木を育てて10年、やっとたくさん実をつけるようになってジュースに。愛媛『中川農園』『ブラッドオレンジタロッコ100%ストレートジュース』には1本に約23個分のオレンジが使われています。試食に添えた日本酒でカクテルにしても」。

特別ゲストは『なにわ黒牛の香味煮』を手掛けられた大阪『靭本町がく』の料理長の今川岳さん。「喜川で10年修行なさった後、今のお店ですぐミシュランの星を取られて。」なにわ黒牛は黒毛和種の雌だけを扱い、月に5頭ほどしか出回らない希少なもの。「少しサシが入った赤身のランプ(モモ)を使って、旬の泉州の新玉ねぎ、山椒と新しょうがと低温でじっくり仕上げました」。会場からも「わぁ、柔らかい!」と声が上がります。「材料が良すぎてあんまりもうからないでしょ?皆さんお店にもぜひお運びくださいね」と南光さん。
「おなじみの和歌山『佐々木農園』『あの日の梅干し』。立派な南高梅と塩だけで作った昔ながらの梅干しと、少しだけはちみつが入った梅干しをセットで。最高級の北海道・白口浜昆布を3日かけて炊き上げた神戸『佃真』の『天上昆布』と詰め合わせました。創業80年の割烹、兵庫『丹波 喜作』からは『手作りご飯のおとも詰め合わせ』。8時間かけて丁寧に仕上げるサバのふりかけを試食に。それぞれ白ご飯と一緒にどうぞ」。
「鰻好きが絶大な信頼を寄せる、福岡『田舎庵』には今回特別にお願いして『ごちそう鰻おこわ』作っていただきました。もち米とのバランスもばっちりです。浜名湖にある老舗の養鼈場のすっぽんを使った『すっぽんスープ』は、お酒をほぼ1升使う贅沢さ。スープを手掛ける東京『日本橋OIKAWA』の及川さんは江戸っ子らしい気風の持ち主」。
「愛媛『Tiramist Materia(ティラミス マテリア)』の『ティラミス宝石箱』は代表の横山さんが吟味した素材だけを瓶に詰めたティラミス。豊かな味覚と清らかな心をもった彼ならではのセンスを感じます。高知『ドルチェかがみ』が高知産の果物と牛乳で作った『初夏のジェラート&シャーベットセット』は自然の恵みたっぷりの夏のごちそう。高知『デュロックファーム加工直売所』の『四万十ポーク・チャーシューセット』は自分で育てた豚を自分で丁寧に焼き上げたもの。よく売れているらしいですよ」。
「人気の淡路島『井上商店』のわかめ麺はトマトソースをセットして『ごちそうわかめ麺』に。栃木『ジョセフィンファーム』の『ミルクかんてん』と山梨『あんこ屋野中』の『ぜんざい』はぜひセットで味わって欲しいとリクエストしたもの」。今回も映像を交えながら、南光さんと白井の掛け合いに笑いの花を咲かせ、みんなでワイワイ試食を楽しみました。

セミナーレポートは今回で連載を終了いたします。今後はこのセミナーへの参加募集情報をお知らせページでご案内予定です。和やかな雰囲気はこのセミナーならではのもの。ぜひ皆さんも一度セミナーにお越しください。引き続き西宮阪急の白井のトークセミナーをよろしくお願いいたします。 (文:土田)

セミナーレポート 2019.6.7 白井操の料理講習会

2019/6/13 

大粒の雨が降る朝、「こんな中、大勢来てくださって・・・」白井の嬉しい笑顔で始まった料理講習会。試食はお中元ギフトカタログでもご紹介した淡路島・井上商店の「ごちそうわかめ麺」。ロボット開発も手掛けておられたご主人が自ら開発された機械でペースト状にしたわかめと小麦粉だけで、水を一滴も使わずに独自の技術で作られたわかめ麺。「トマトジュースの瓶の残りがもったいなくて、めんつゆを入れて振ったらトマトとめんつゆがすごく合うのにびっくり。トマトと昆布の旨み成分は同じグルタミン酸。わかめ麺にトマトの刻んだものを入れてみたら想像通りのおいしさでした。今年のギフトにはわかめ麺にトマトソースを添えてみました。これに生卵を溶くだけで夏のご馳走らしくなるでしょ」。試食には蒸し鶏とネギを添えて。

まずは夏メニューのご紹介。「マリネはタコやイカをよく使うけど、今の時期ならハモを1匹買ってアラでダシをとったり、衣をつけてカリッと焼いてからマリネ液につけてメインのおかずにしたり。マッシュルームに塩と酒を加えてチンしたお汁やトマトをつぶした汁、昨日のおかずの残り汁など旨みを組み合わせを楽しんで。きゅうりは薄く塩をまぶしてしばらく置くと少し柔らかくなって切りやすくなります。卵焼きや塩焼の横に添えても。細めの大根やラディッシュでもやってみて」。
鶏を醬油煮にした煮汁をベースに調味料を加えてつゆに仕立て、鶏の醤油煮やナス、トマト、エリンギ、きゅうりを中華麺の上に好きなようにトッピングしながら食べるごちそう冷麺。具材とつゆが一度に作れて、晩御飯にもおもてなしもぴったりのアイデアレシピ。「手にごまをつけて、切ったナスにまぶしつけます。この年になると手が油を先に吸うのでその分多めにね。塩をふってレンジにかけます。この方法を知っておくと胡麻和えやのり和えなど、夏のおかずが手軽に」。
白井流のゴーヤチャンプルは、豚肉をさっと湯がいて手でちぎりタレにつけるのがポイント。花かつおをラップをせずにレンジに30秒かけ、手でもんで粉がつおを作り、最後にふりかけ旨みたっぷりに仕上げます。「ゴーヤは縦半分に切って、種を取ってラップに包み、ジッパー袋に入れて冷凍できますよ。」

こうや豆腐のから揚げはめんつゆとしょうが汁をこうや豆腐にかけて戻し、手でちぎって鶏肉風に。「手に片栗粉をのせて粉をつけると粉が付きすぎずうまくいきます。」こちらも試食をご用意。
こうや豆腐だけでなく粉豆腐や微粉末のおからパウダーなども高い栄養価が注目をされています。「粉豆腐はぼそぼそした食感が苦手な方も多いようですが、下味をつけた豚肉に粉豆腐をまぶしつけ、固めに戻した春雨と炒めものにするとふんわりした食感に仕上がります。鶏ガラスープやオイスターソースに隠し味のお酢でさっぱりと柔らかな味わい。仕上げに香菜を添えて。レシピにこだわらず具材はお好きなものを。パターン化せずにいろいろ試すのが料理の楽しみのひとつ。炊いた高野豆腐は細く切ると、そうめんにのせても麺にからんで食べやすくなりますし、柚子胡椒や七味、ごま油などにもよく合います。小さく切ってサラダや卵焼きの具にも」伝統的な和食材を自由な発想でどんどん食べて、元気でいて欲しいと白井。
メモを取る手も忙しく、質問もたくさん頂きました。笑って食べて、窓の外の天気を忘れるあっという間のひとときでした。    (文:土田)

セミナーレポート 2019.5.24  京・南禅寺畔 瓢亭 当主 高橋英一先生

2019/5/29 

 

毎年この日を楽しみにされているお客様でいっぱいの会場には柔らかな緊張感が漂っています。ゲストは瓢亭14代当主 高橋英一先生。5月にふさわしく「豆ごはん」と、瓢亭のお土産にもなっている「じゃこえのき」をご用意くださいました。

「さやえんどうは豆を取り出した後、さやをきれいに洗って、鍋にお湯を沸かし、少し塩を入れてさやを湯がき、豆汁を作ります。お米を洗って水を吸わせた後、冷ました豆汁で炊きます」。いつもは厚手のアルミ製文化鍋で炊かれるそう。「鍋のふちが広くなっているので、吹きこぼれません。別の鍋を使ってIHで炊くのは初めてですが、今日はよくできる弟子がいるので、大丈夫」。瓢亭で15年修行された苦楽園口「京料理くまがい」の熊谷伸司さんが今回もお手伝いに。「豆は沸騰して少ししたら鍋に入れます。混ぜずに広げるように。青くさい豆汁でお米を炊きます。『きょうの料理』に出たときは食べ物に「~くさい」という表現は控えて欲しいとなったのですが、青くさいというのは豆の香りがしておいしいという、いい意味ですから」。味わう客席のつぶやきから感動が伝わってきます。

「じゃこえのきは私のこだわりで別々に炊いて合わせます。えのきは年中ありますし、歯ごたえも香りもいい。根もとを切り落とし3等分に切り、根に近い部分は手でほぐします。鍋に調味料を入れ、沸騰したらえのきを入れます。少しの調味料でえのきがぺっしゃんこになるまでずっと混ぜながら炊きます。えのきの色が変わって地がほとんどなくなってきたら、ザルに上げます。汁気を切っておくと日持ちもよくなります」。「地というのは煮汁のことですね。料理人さんはよくそう言われますね。わぁ、小さなちりめんじゃこ」「じゃこも同じように、調味料を合わせて煮立ってから鍋に入れ、馴染んできたら実山椒の佃煮を入れます。地が少なくなってきたらえのきと合わせて仕上げます」「お土産用のものも瓢亭さんの中で作られているのですか」「はい。片手間で作りますので大量には作れませんが」和やかな会話とともにいい香りが。

京土産として定番のちりめん山椒。もとは瀬戸内のじゃこと鞍馬の山椒を使って家庭で作られてきたおふくろの味。「新鮮な海のものが入りにくい土地なので、敦賀から近江今津を経て京都に入ってくる固いニシンや棒鱈なども、柔らかく戻して家でおいしいおかずにしてきました。にしんそばやちりめん山椒のようによそから仕入れたものを京都の名物にしてしまうんです」と髙橋先生。「鯖街道から入ってくるのはやサバやグジ。有名な老舗の鯖寿司は半身で4300円。鯖がたくさん取れる地域の人からすると高く感じますが、食べるとさすがの味わい。京都人のハレの日の特別な食べ物として思い入れがありますね」と京都の食文化のお話を。

もう一品お持ちくださったのは瓢亭名物「鶉(うづら)せんべい」。「小学生の頃、店で鶉を飼っていて私が世話をしていました。肉は料理に使うのですが、ミンチにした肉を赤味噌と白味噌で炊いた『うづら味噌』が名物で、味噌を入れる鶉の形をした陶器の蓋物の器もありました。戦後、何かお土産もんをということで、瓢箪型のおかきにうづら味噌と醤油をからめたのがこれです」。
「拝見していると、ひとつひとつ本当に丁寧な作業をなさっておられるなぁと」「やっぱりひと手間をかけるとおいしいものができます。ひと手間が大事です」。高橋先生のお人柄や所作に瓢亭のたたずまいを感じながら、一口を大切に味わう豊かなひととき。お茶事の話題も出て学び多いセミナーとなりました。(文:土田)

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